トカラ列島平島堤防 GT釣行記 イソマグロ170cm70kg!?
2019年5月24日から29日まで、釣り師憧れの秘境「吐噶喇列島」に行ってきたので、その時のことを書いていく。
僕がその島のことを知ったのは数年前のことだった。
憧れの魚GT(ジャイアントトレバリー)を釣りたいと思ってネットでいろいろと検索していると、船でさえ釣るのが難しいといわれているGTが、なんと堤防から一日に何本も上がることがある場所があるという。
それが吐噶喇列島だ。
ただし、時期が限られており、5月から6月にかけてトビウオが産卵のために堤防内に入って来る時のみ、それを狙って大型魚がわんさか入ってくることがあるらしく、タイミングが合えば一日に数本ヒットすることもあるらしい。
ただし、吐噶喇列島は12の島からなる列島なのだが、なんせその距離が鹿児島本土から離れており、フェリーで10時間ほどかかってしまうし、フェリーの本数自体も少ないために仕事をしながらだと数日の休日を取らなければ行くのが難しく、車とフェリーの交通費・民宿代(飲食店やコンビニはない島もあるので、基本は3食付きの民宿に泊まることになる)・GTタックルを揃えるとなるとそれなりの時間とお金が必要になってくるため、なかなか踏み出せずにいた…
そうこうしているうちに数年の月日が経ち、その頃にはGTに挑戦できるタックルもそろっており(マグロタックルだけど・・・)、時間も作ることができたので、ようやく念願のトカラ列島に挑戦してみることにした。
2019年5月24日、福岡から高速を使って鹿児島港まで移動し、夜23時出発のフェリーとしま2に乗り込んだ。
フェリーとしま2の詳細は公式サイトへ↓
(写真は朝の到着時↓)
到着は朝8時過ぎなので、コンビニで買った酒を飲んで2等の狭い空間で朝まで眠る。
フェリー内には食堂・売店があり、そこではお土産や梅雨ブギィも売っていた。
そして朝になり、吐噶喇列島平島に到着。
港には予約していた民宿「平荘」のご家族が荷役のために集結しており、荷役が終わるとそのまま車に乗せてもらい宿まで向かう。
平島は小さいのだが、坂が多く民宿がある集落までは2kmほど坂を移動することになるので、車かバイクのレンタル必須だ。
しかし、平荘の車はMT車しかないため、AT限定免許の僕はバイクを借りることに・・・1日1000円。
明るいうちは下見と観光がてら、島をバイクでぐるりと一周してみる。
千年ガジュマルや↓
平家の穴など、看板も出ており観光地になっている場所もある。
グーグルマップでも表示されるので、行かれる方はグーグルマップを使えば迷わずに行くことができる。
そして、夕食を食べ終わるといよいよGTフィッシング。
トビウオが入る時期、島民の方たちはトビウオ漁をして一年食べる分のトビウオを捕って冷凍保存したりするため、天候がいい日は漁に出ることが多い。
この日はたまたま宿の大将が漁に出るという事で、荷物をトラックで運んでくれ、漁で捕った生きトビウオを使わせてもらえることに。
タックル
ロッド CB ONE VF8215ER
リール DAIWA キャタリナ 6500H
ライン タナトル 8本編 10号 146.6lb
リーダー ガリス TPIIIアブソーバーマサ・ツナ リミテッド 60号 150lb
ハリス サンライン BIG ONE 80号
フック ステンフック 30号
写真↓のように、針のチモトから15cmほどザイロンノット50号をかぶせて補強している。
基本的にトビウオの泳がせはウキを使うことになるので、泳がせをする場合は20~30号のウキとケミホタル必須だ。
もちろん切れることもあるので、最低でも2セットは必要。
ちなみに、宿の大将から、この針は大きすぎるからスーパークエの30号くらいがちょうどいいと言われた・・・
いよいよ実釣。
大将は水中灯を焚いてトビウオを寄せ、寄ってきたトビウオを掬っていく。
その生きのいいトビウオの背中に針を刺して、海中にぶっこんでアタリを待つ。
開始から一時間ほど、最初はトビウオの寄りが悪かったのだが、時間とともに段々とトビウオが集まりだし、それとともに「ドッパーン!!」とめちゃくちゃ激しい捕食音が聞こえ始める。
そして、開始1時間半ほどたった頃、スーっとウキが沈んでいき、5秒ほど待って合わせを入れる。
グッグッグッっと竿はしなるが、ポンピングせずにリールでゴリゴリ巻いてこれるレベル。
難なく上がってきたのは10kgオーバーのツムブリ。
普通だと大きい部類に入るのだろうが、このタックルとこの場所だと全然満足できない・・・
(でも、顔はすごい嬉しそう↓笑)
ツムブリを針から外し、すぐに新しい生きたトビウオをつけて投入する。
捕食音は激しさを増しており、水中灯に照らされてすぐ足元を数十キロはあるであろうGTかイソマグロが泳ぎ回っているのが見える。
完全にトビウオに狂っており、複数の巨大魚が水中灯の灯りの中にまで入ってきてパクパクとトビウオを食べている。
何なんだここは・・・こんなすさまじい光景TVでも見たことないぞ・・・
(ほら、俺のトビウオに喰いつけ・・・喰いつけ・・・)
そう念じていると、僕のウキの下についているトビウオ目掛けて1匹の巨大魚が寄ってきて、少し手前でスピードを落とし観察し、そのままパクリ!
「よし、食った!!!」
ウキはロケットのように海中に突っ込んでいき、すかさず合わせを入れる。
ジィーーーーーーーーーーーー!!
ドラグ音が響き渡り、ドラグ12kg設定がすごいスピードで引き出されていく。
上から見た感じでは30~40kgくらいの魚に見えたので、
(30kgの魚って良く引くなー)くらいの軽い気持ちで、50mくらい走ってファーストランが一旦収まったところでドラグをさらに絞めて、ドラグ14kgくらいでポンピング開始。
社会人になって筋トレ再開して5年目。
173cm80kg。
調子のいい時だとベンチプレスは130kgまで持ち上げれていた筋力を使ってグイグイ寄せてくる。
ジィーーーー!
(あれ、おかしいな・・・)
まだまだ走るとラインは引き出されるものの、なんとか足元まで寄せてくる。
しかし、魚は浮いてこずに右に左に堤防の際を走り回り、そのたびにドラグ音が響く。
(これ、30kgなんてもんじゃないんじゃないか?)
際での接戦を繰り返すうちにそう思うようになっていた。
この時には疲労で足がガクガクしてきており、とても腰が痛い。
それでももう少しだと後ろに体重を掛けながら思いっきり浮かせにかかる。
ジワァーっと魚は浮きはじめ、その姿が見えた。
「デカい!」
魚はかなり大型のイソマグロだった。
魚の方も疲れているようで、一度姿を見せてからは再度潜ってもこちらが体重を掛けてロッドを立てればすんなりと浮いてくるようになっていた。
そして、タイミングを見て大将がフライングギャフを頭の後ろに突き刺した。
「手伝えー!」
大将の声が辺りに響く。
たまたまこの日は、同じ宿に泊まっていた島の工事をしに来ている人たちが見学に来ており、工事関係者や周りの釣り人にも手伝っていただき5人がかりで引き上げる。
ファイト開始から10分ほど。
堤防上に引き上げられたその魚を見てびっくり。
めちゃくちゃデカい。
やっぱり30kgなんてもんじゃなかった。
173cm80kgの僕と並んでも見劣りしないサイズ。
めちゃくちゃ重い。
2人掛かりで持ち上げてもらい、膝に乗せてもらう。
やっぱり膝持ちはやりたかった。
又長170cm。
ここまではいいのだが、なんと、デカすぎて重さを測れるものがない!
ということで、運搬を手伝ってくださった工事関係者や、元漁師の大将、そして大将の息子さんと討論した結果、70kgはあるだろうということで、後に作る魚拓でも170cm推定70kgとしてます。
魚をトラックの荷台に乗せ宿に帰ると、大将から祝杯のビールが手渡され、最高にうまい一杯を飲みながら捌く姿を見学させてもらう。
さすがは元漁師。
こんなにデカい魚でもサクサクと捌いていく。
ブロック状になった身は奥さんが真空パックをして、冷凍庫に保存。
1時間半ほどで全ての作業は終了した。
刺身は美味しくないと言われるイソマグロだが、さすがにトロの部分だけは美味しいらしく、息子さんが上手に皿に盛り付けてくれて、宿でイソマグロパーディー。
そして、翌日かも次はGTだと頑張ろうと思っていたのだが、天候不良で中二日は良いポイントに入れず・・・
そして4日目最終日、この日は天候は回復していたために初日と同じポイントに入ることができ、時間と共にトビウオも入りだしたのでイケルと思ったのだが、大型魚の捕食音は全く聞こえず嫌な雰囲気が漂う。
他に釣り人は数人いたのだが、かかるのはギンガメやアオチビキ、ツムブリなどの外道ばかりで、GTとイソマグロの姿は見えないまま朝を迎えた。
宿に帰って朝食を食べ、先ほど釣ったツムブリ一本と冷凍してもらっていたイソマグロのブロックを3つもらってクーラーボックスにしまい、朝8時台に出航するフェリーとしま2で島を後にした。
今回、4日間滞在して大型魚がばんばん堤防内に入ってきたのは最初の1日だけだった。
やはり自然は思い通りにはいかないが、それも釣りの面白さの一つなのかもしれない。
吐噶喇列島は12の島があり、他の島でもトビウオ、そしてGTが入ってくる島もあるので、次のシーズンには他の島にも挑戦してみたい。
今回の記事の動画はこちら↓
堤防から70kg!?トカラ列島の巨大イソマグロに挑む 泳がせ釣り
帰宅後、リフィッシュさんにデジタル魚拓を注文。
re-fish.comHPから注文し、後はlineでのやり取りで進むのでとても分かりやすくて良い。
スマホで撮った写真から作ってもらったのだが、届いたものはド迫力で素晴らしい。
また大物が釣れた時にはリフィッシュさんにお願いしようと思う。