肉体派ライターのブログ

2019年11月よりフィリピン留学中。日本国内600カ所以上、海外は東南アジアを中心に7か国60箇所以上心霊スポット探索してます。恐怖体験・心霊写真・心霊動画など随時募集しております。心霊スポット、旅、釣り、珍スポット等について書きます。Japanese Ghost Hunter Yukinari Hama,Japan Haunted Place【ご連絡は→shinrei.hama@gmail.com】

フィリピンのマニラでひったくり被害

 初めてフィリピンに行った時のこと。

 僕の古い友人である恭介は当時すでにフィリピン滞在歴一年ほどで、ある程度の英語での日常会話もでき、信頼できるフィリピン人の友人も多かったためにガイドをしてもらおうと、たまたま日本に帰ってきていた恭介と、恭介の弟と一緒に3人でフィリピンに渡ることになった。

 元々日本でプロボクサーをやっていた恭介は20代半ばで引退し、次はフィリピンで選手の育成とマネージメントをするために、マニラとバギオに2カ所の拠点を持つ有力ボクシングマネージャー兼プロモーターの元で修行に励んでいた。しかし、選手が育つまではファイトマネーが入ってこないために、出費がかさむばかりで常に赤字の状態だった。

 そこで、自分でバーを経営し、そこから資金を得ながらボクシングマネージャーをやって行こうと決意し、一度日本に帰国して大量の現金を下ろしてから僕と恭介の弟と一緒にマニラへと向かった。

 

 初日はマニラの「アベニーダ」という地区にあるボクサーたちが寝泊まりしているマンションに寝泊まりさせてもらうことになり、荷物を置いた僕と恭介は早速近くの飲み屋へと出向いた。

 アベニーダという地区はフィリピンでも有名なスラムである『トンド』のすぐ近くにあり、決して治安がいいとは言えないものの、すでに何度も周辺の店で飲んでいる恭介は一度も危険な目にはあったことがなく、軽い気持ちで数件梯子してマンションへと戻った。

 

 翌日、日中は恭介と弟はボクシングジムに行き、僕はマンションで書き物をして時間を過ごし、21時ごろに恭介達のもう一つの拠点があるバギオに向かうために、荷物を持って部屋を出た。

 大量の荷物を持った日本人が夜に出歩くのは危険なため、フィリピン人ボクサーが3人護衛について計6人で僕たちはバスターミナルに向かって歩き出した。

 そして、マンションから数十mほど歩いたところで急に二人乗りのバイクが僕たちの間を割く形で突っ込んできた。バイクは軽く恭介に接触し、ドライバーはぶっきらぼうに呟いた。

「ソーリー、ボス」

 バイクはすぐにその場で方向転換し、クラクションを鳴らすと同時に、自分たちが通ってきた僕たちの間に向かってフルアクセルで突っ込んできた。その瞬間、バイクの後ろに乗っていた奴が恭介が手に持っていたハンドバックを引ったくり、あっという間に姿は見えなくなった。 

 ハンドバックの中には大量の現金と、ノートパソコン二台、iPhoneとクレジットカードが入っていた。

 すぐに最寄りの警察署に駆け込み状況を説明して、事件現場近くにあった監視カメラを確認してもらったところ、犯人2人が数十分前からマンション近くで待ち伏せていた映像が残っていたため、警察は「絶対にあなたたちの中に犯人の仲間がいて、そいつがバイクの二人組と組んで犯行を指示している」と言ってきかない。恭介は仲間のことを信用していたので「それはない」と言い張っていたが、警察は聞く耳を持たず、1人1人別室に呼んで取り調べを開始。尋問と携帯電話のチェックをしていったが、結局犯人と繋がりがありそうな人物は見つけることができなかった。

 そして、現在事件から約2年が経つが、もちろん犯人は見つかっていない。

 

 これはあくまで推測だが、フィリピン初日の夜に僕達が飲み歩いているところを犯行グループに見られ、後を付けられてマンションを特定され、その翌日に犯行に及んだのではないかと考えている。

 しかし、僕達が荷物を全て持って移動するほんの数十分前からマンション近くで待ち伏せしていたタイミングの良さを考えると、警察の言う通り、ボクシング仲間に内通者がいたのではいう考えも頭をよぎってしまう・・・

 

マニラフィルムセンター 【心霊スポットフィリピン】

 フィリピンの首都マニラにあるマニラフィルムセンター。

 この場所は1982年に行われるマニラ国際映画祭に向けて、フィリピン第10代大統領フェルディナンド・マルコスの夫人であるイメルダ・マルコスの指揮によって建築が進められた。

 建築が始まったのは1981年で、完成に急を要するという事で約4000人の労働者が3交代24時間体制で建築作業に従事していたのだが、1981年11月17日に事件は起こった。

 午前3時、夜間の作業が行われている最中に足場が崩壊し150名を超える作業者が地面に落下し、一部の人間は乾いていないのコンクリートの中に落ちてしまったのだが、現場では工事中止を危ぶむ上部によって隠ぺい工作が図られ、救急隊が現場に入ることができたのは事故発生から9時間後だと言われている。

 さらに、コンクリートの中に落下した作業員を救出していると工期が大幅に遅れる恐れがあるため、複数の作業員がコンクリートに埋まったまま作業は続けられ、未だにコンクリートの中には作業員たちが埋まっているという噂が一気に広まり、建物の完成後は怪奇現象の起こる劇場としてその名を広く世に轟かせた。

 1990年にフィリピンを襲った大地震により建物は損壊を受け、一旦は閉鎖されたものの、2001年からはアメージングショー(トランスジェンダーパフォーマーによるショー)の会場として使用されることになったのだが、2013年2月19日に火災が発生し、それからは廃虚となっている。

 そして、2010年にはマニラフィルムセンターでの事故をモチーフにしたフィリピン映画「The Red Shoes」が公開されているが、この映画はホラーではなくラブロマンスだ。

                                                                                                                                 

 私が現地を訪れたのは2018年3月の深夜のことだった。

 マニラフィルムセンター前にタクシーを止めて降りるとすぐに、建物前の階段でたむろしていた野犬達が強烈に吠え立ててくる。一定の距離を保って吠えているだけなので、よほどのことがない限り噛み付いては来ないだろうが良い気はしない。

 若干野犬に怯みながらもバッグからビデオカメラを取り出し、撮影しながら入口まで歩いていく。

 坂道を登りきると何本もの大きな柱に支えられた巨大な建造物が姿を現す。これがマニラフィルムセンターだ。

 

f:id:yukinari1204:20200201214326j:plain





 

 足元はコンクリートで固められており、噂が真実だとするとこのどこかに今も作業員が埋まっているのだろうか・・・そう考えると足を踏み出すのが躊躇われる。しかし、意を決して足を進めると正面の扉が見え、大きく派手な「Amazing Show」という文字が扉の上に見える。

 

f:id:yukinari1204:20200201214341j:plain



 

 その場所で何枚か写真を撮っていると、扉の中に人影があることに気付いた。一瞬これが噂の幽霊かと思い驚いたが、よく見ると警備員だ。フィリピンでは廃墟でも24時間体制で警備員が管理していることが多く、この場所も例に漏れず24時間体制で警備が行われているようだ。

「ハロー!ハロー!」

 何度か声をかけると、彼はゆっくりとこちらを振り向いた。

「ハロー!」

 そこでもう一度声をかけると、めんどくさそうに扉を開けて外に出てきた。ここで、フィリピン在住の友人であり、今回の心霊スポット取材に同行してもらっていた恭介に取材交渉をしてもらう。

「彼は日本から来たゴーストハンターですけど、中も撮影していいですか?」

「ダメだ。中に通してたら俺がいる意味ないだろう」

「それはそうですけど・・・」

 ここまでは想定内なので、次の手段として賄賂を提示してみるが、真面目な人物のようで全く受け取ろうとしない。これでは中の取材は無理だろうと諦めつつ、それならば警備中に幽霊が出ることはないのかと聞いてみることにした。

「あなたは毎日ここの夜間警備をしているんですか?」

「あぁ、そうだ」

「じゃあ噂のように、実際に幽霊が出ることってあります?」

「そうだな。俺は何度か見たよ」

 そう言って自身が警備中に体験した出来事を話してくれた。

 

 彼はマニラフィルムセンターの夜間警備担当なのだが、毎晩職場に到着すると一度建物全体の見回りをすることになっている。夜なので、懐中電灯を持って蒸し暑い建物内をまわっていくわけだが、どうせ建物内を全部見てまわるなら運動にもなるようにと、毎回ジョギングをしながら建物内の巡回を行うことにしている。

 彼ももちろん過去の事故に関する霊的な噂話は知っており、時折妙な物音に驚くことはあるのだが、一番驚くのはコンクリートに埋まっていると云われている作業員の霊などではなく、走っている最中に突如目の前に現れる子供の霊なのだという。

 子供の霊は彼が走っていると突然物陰から飛び出し、次の瞬間にはフッと消えている。そんなことが何度かあったというのだ。

 

「でも、この場所で亡くなったのって作業者だから、成人男性じゃないんですか?」

「あぁ、だけど、俺が見るのは毎回子供の霊なんだ」

「そうなんですか・・・ありがとうございます」

 話が終わったところで交代要因の警備員たちが数人やってきた。

 野犬はなおも吠え続けており、町の喧騒と相まって余計に鬱陶しい。

 これ以上現場での取材は難しいと判断し、我々はマニラフィルムセンターを後にした。